サイバークライムムービーとは?
Cyber Crime MovieとしてのIndependence Day再考。
1996年の映画であるIndependence Day (インデペンデンス・デイ, 以下ID4)について、当時観た観客は派手なアクションに熱狂しつつもやれやれという温度感でこの娯楽映画を楽しんでいただろう。映画としてはスピルバーグの語り口に則った大規模予算B級映画であり、荒唐無稽なSF Actionでありつつもどこをとっても紋切り型で安心して突っ込めるblockbuster, まさにblockbuster。Popcornのために作られた映画。私を含め多くの映画ファンが監督のRoland Emmerichに憤慨していたのも確かである。
いや、そういうことではない。これは間違いなく初期の重要なCyber Crime Movieであり、Cyber Crime Movie Researcher = CCMR(リサーチャー)達が見なければいけない映画なのだ。
ID4の最大の”突っ込みどころ”であろうはずのcomputer virusについて、CCMRは皆さんとは全く逆の評価を持ってこの名作をCyber Crime Movieのカテゴリに招聘する。
サイバークライム映画としてのID4
地球に襲来してきた宇宙船は核ミサイルすら弾く強固な緑のバリアーに守られており地球側には攻撃できるチャンスがゼロの状況。しかしエンジニアのDavidがcomputer virus (コンピュータウイルス)を使ってバリアを停止させ一発逆転で人類が勝利する…。
1996年の当時はふーん, と流されたcomputer virusのくだりについて、公開初日から今までsoftware engineerの感想はシンプルに”…How?” だったろう。なぜ1996年のMacintosh (Powerbook 5300のようだ)で書かれたcodeが地球より遥か, 遥か進んだ技術を持った異星人の宇宙船のバリアを破ることができるのか。
無論有力な考察(1)もあり、Area 51で科学者達が宇宙船の解析をすすめる中で当時の人類が持つsoftwareがvirus感染の命令を読み込ませる地点に到達したとする説もあるが私の意見といえば、以下である。
異星人はより高度な技術レベルに達しており、どこぞの惑星で作られたノイマン型コンピュータ上で実行される機械命令が、想像を絶する汎用性を持ちあらゆる機械語やプロトコルを理解できてしまう異星人側のcomputer(の定義に収まる類かも不明)によって高度に解釈される結果となった。え?
これは言葉で例えれば、”彼らの(人工)知能は辺鄙な惑星のローカル言語の単語や文法を容易に識別し意味も理解した”ということである。地球人の計画は信じられないほど幼稚なものだったが、人類より遥かに進んだ地点のtechnologyによって様々なミスが重なりDavidの稚拙なcodeが意味のある命令として読み込まれてしまった。これはまったくの偶然でありある種のbug(つまり脆弱性)を突かれた形で、この脆弱性はもしかして”どんな地球人のcodeでも”バリアーが停止するくらい致命的なものだったかもしれない。彼らは進みすぎた文明故に斃れたのだ… … のだ… 。
注 : この考えに至ったのはChatGPT勃興前だったが今のAIサービスのおかげで理解しやすいと思う。人工知能がよろしく解釈してくれ過ぎると予期せぬ事故が起きるよ、という話でもある。
さて。この物語においてこのinvasion (侵入- 物理的にも母船に侵入している)とcomputer virusの注入は極めて重要なactionとなっている。人類の切り札であり、ここまでmalware/computer virusの価値が高められた瞬間も映画史においてそうそうなかろう(*2)。かような話の中での中核をcyber crime分野に負わせる映画こそCyber Crime Movieであり、もはや戦争映画なのだがCCMの比較的初期の重要作としてここにその功績を讃えたい。
ここに一つ重要な描写のideaが導入されている。所謂hackerによる”解除”のハラハラドキドキのことだが、扉の鍵、爆発物と青赤導線、等々で登場するtrickがここでcomputer virus注入によるバリア解除可否のハラハラとつながり、actionとcomputer scienceがつながることになる。後に続く, Enter (Return) keyをhitしてGO! からの結果待ちドキドキ、は世界中に増殖されたわけであり、これがメタ的な意味でのvirusの感染増殖と捉えると実に味わい深いシーンの誕生である…。
その他techあれこれ
しかし30年近くを経て振り返るとなかなか興味深い。何かといえば人類の進化とそれに伴う我々の認識の変化が、だ。
例えばWill Smith(出てるんですよ)がchaseしてくる宇宙戦闘機が障害物を難なく避けWill(ヒラー大尉)を追いかける場面があるが、いまの自動運転技術の無数のセンサーや障害物認識と自動操縦など当時と比べると大分その構造が現実的に見え、異星人は殆ど運転していないのではという気になる。…その意味ではすでに人類がdrone (Autonomous Weapon System/AWS, (*4))を使っているので異星人がわざわざ戦闘機に乗るリスク侵さないだろとも思うが、「乗らなきゃいけない事情があるんですよ!」(誰?)ということだろう。
また数十年前に墜落した宇宙船を母船が認識・接続しコントロール…、の下りも”いま”の認識だと船にagentをinstallしておき識別管理する、PCや携帯の管理のノリなんだろうと理解できる(未来の認識はまた違うかも)。
Computer virus nameはToxecret | コンピュータウイルスの名はToxecret
Davidが作成したと思われるmalwareのwindowには”Toxecret”というtitleがあり、これがこの伝説的なmalwareの名前と思われる。
以下にそれを書き写す(画面表示部分のみ)。
trans for 3x - 169
{
go for 1256:@benchHost*2456
set VirusMark^678*245-treatX^treatY
}
quarry Xmark for %567* going for
{
{
{
send ValueThreat - bendColumnX*2456/Vcxzr(Xgf)
}
apart into bandColumnY*2459/Ycxzq(Ygf)
infiltrate ToxigenValue*7564.87*%HostAddressValX
}
send FilterHEX( %NoStopVal, %SecStopVal, %SetVal-56)
blast Xfile forValueThreat^%NoCum(SecVal#576-Xfhk)
}
rot at %45 Bench^@WorryWord(111000)
Move 1000, 12876, %aaYf
stack 2765, into $JlkgJh
move 1010, 47638, %ToxVal(111000)Davidは軍関係者や大統領の目の前で宇宙船のバリアを無効化するdemoを行っており、調査の過程で何らかの形で上記のcodeが宇宙船のバリアをなぜか停止することを発見したことになる。現実的に考えていくとかような偶然に出くわすためには人類が火を使うくらいから現代までの気の遠くなる期間の試行錯誤が軽く必要な気がするが、ともあれ天才programmerによって世界が救われた瞬間が誕生したことを喜ぼう。
注:
- ID4のmalwareのくだりを真剣に考えてblog書いた稀有な方その1 https://qntm.org/id4
- その2 https://www.quora.com/What-programming-language-did-Jeff-Goldblums-character-use-to-create-the-virus-that-took-down-the-alien-mothership-in-the-1996-Independence-Day-film
- Malware(computer virus)の歴史は例えば https://www.wikiwand.com/en/Timeline_of_computer_viruses_and_worms
- Malware Museumに1980s-90sのmalware情報がarchiveされている
- https://archive.org/details/activation_201602/page/n1/mode/2up
- アゼルバイジャンがトルコ製のAI droneを紛争に利用しリアルな時代に突入している https://jp.wsj.com/articles/armed-low-cost-drones-made-by-turkey-reshape-battlefields-and-geopolitics-11622778633
- 俺俺, 事情があるって便利なリーマン言葉で20世紀とともにvanish希望
- PowerbookのOSはSystem 7.5.2であろう https://japan.zdnet.com/article/35082514/10/
- https://imgur.com/4tpH0aE

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